■上質細毛山羊毛(細 限定)とは?

この「上質細毛山羊毛(細)」は、

毛先が長く (海で言うと遠浅のイメージ)、

細長くしなやかで柔らかいのが特徴


例えば 、手応えは「リスを強くしたイメージ」に近いです。


では、 通常の上質細毛山羊毛はというと・・・

毛先が短め (※細い毛先から太くなるまでが短い)で、
「ブラシのボディのバネの手応えを感じ易い」ことが長所であり、
それが為、「ボディの腰が気になる 方には、これが邪魔になる」という面もあります。
(基本的には好みですが・・・)


今回の上質細毛山羊毛(細)の 長所としては・・・

全体的に(根元までほぼ一様に)シナヤカなのが特徴なので、
「毛先の手応えは感じ易い(接地する毛先の感覚)」にも関わらず、
「腰(全体のバネ)が邪魔にならない」のが特徴です。

肌触りは、もちろん、柔らかいです。

脱色せず、 無染色で本来の「腰」と「毛先の力」も残しておりますので、
オーバル形状(側面近くまでシッカリと使えます)が非常にマッチします。


桜の木の軸とは?

日本の桜の木を使用しております。
写真では伝わり難いかもしれませんが、 加工の精度が通常の軸よりも高く、
塗りも細やかなので、通常の軸と比べると高級感があります。



薀蓄
 (つぶやきのようなものですので お好きな方はどうぞ・・・)

この山羊毛は、「祖光峰」という規格として購入しました。
我々が認識している、本物の「祖光峰」とは異なる毛だと感じましたが、
特徴がある良い毛だと判断しましたので、
「上質細毛山羊毛(細)」という形で表記させていただきました。


通常は、「祖光峰」と表記されるタイプのものは、染色して市場に出回ることが多く、
粗い毛も、結構、残っている状態で、 「化粧筆」の状態になっているものがほとんどです。
(染色して全体的に腰を殺し、表面を滑らかにする薬品類を塗ること事もあるようです→すぐに開きます)

弊社は、あえて無脱色・無染色にする事により、
「 毛の持つ自然な腰の強さ」、「毛先の力」を生かすという選択をしました。

その分、粗い毛や太い毛を細かく取り除くのに、それなりには手間がかかりましたが、
近年(この最近は特に)、 通常の上質細毛山羊毛の方で、 かなりシツこく、
この作業の精度UPを図りつづけた成果が出せたとも言えます。

さて 、ここから少しだけ裏話。

いきなり「統計」的に矛盾する事を言ってしまいますが・・・・

高級羊毛とされている「祖光峰」ですが、実は、
中国での年間総生産量の実に10倍近くが日本で年間に流通している

と、言われております。 (※何社かの原毛流通業者 談)

「日本が沢山買い溜めしてるんだね」・・・という話ではありませんので悪しからず(笑)。

逆に言えば、筆業界には、検査機関もないですし、
羊毛を選り分ける職人も現地にほとんどいなくなっているとの事ですので、
どのみち、我々は、「見て判断(作って判断)」「細かく指示する」するしかないという事ですね。

これは、筆業界だけに言えることでもなさそうなので、
一消費者としても、一製造業者としても、ますます、「目を養う」事は大事になりそうで、
身が引き締まるようです。