紹介したいモノ作りを徒然に・・・
流行に流されるだけではない
モノ作りに技術の研鑚と信念を感じる少量生産を守り続けている作り手を紹介します。
 

 

■第一回目  ドイツ菓子マイスターによる手作りドイツ菓子 
「コンディトライ フェルダーシェフ」 マイスター田頭 享氏(広島)

ついに東京初進出! 
新宿伊勢丹地下1階 11月16日(水)〜11月22日(火)期間限定販売 

ドイツのコンテストで、それぞれ金賞を受賞したものと、
ほぼ同じ「バウムクーヘン」と「フルーツケーキ」を中心とした焼菓子が勢ぞろい!
ドイツの香辛料を使った本格的な「シュトーレン」も販売するそうです。

※参考 田頭氏は、正式にドイツの「マイスター」を取得したお菓子職人です。

少しだけ我々が感じるイメージを伝えるならば・・・・

日本に馴染みつつも、ヨーロッパを感じさせるドイツ菓子であり、
また、田頭流お菓子でもあるフェルダーシェフのお菓子。

シンプルに「生地が楽しめる」
どちらかというと東京でも珍しいタイプのお菓子だと思います。



ただし、 特別に派手なタイプのお菓子ではないので、

少し長くなりますが、 私が話を聞いた範囲での解釈を少し補足しておきます。




フェルダーシェフの印象と言われたら、 シンプルに言えば、「生地が美味しい」




レシピももちろん重要なのでしょうが、
その前に・・・

シンプルに 添加物に頼らないクラシックなやり方で

「生地を作る」
(料理全般の基本でもありますが 乳化など)

「丁寧にきちんと焼く」

(こちらも料理全般の基本ですが、水分の閉じ込めや中までムラ無く焼く温度や時間の調節)

といった基本中の基本を重視しておられる姿勢を感じます。


生地として成立していて、添加物の味がしないだけで、差が出ると私は感じておりますが、

何より 生地に存在感を感じます (しかも決してうるさくは感じない繊細さもあり・・・)。

(お菓子教室で「生地の乳化のさせかた」を教えていたそうです[笑] )




これらの「生地作り」「焼き」といった肝を田頭氏が自ら行い、ドイツの香辛料を中心に、

レシピの中に田頭氏の解釈(オリジナリティ)を入れていくといった感じでしょうか・・・・





「ドイツ菓子を日本人に合わせて」とか、

「ドイツ菓子を自己流にアレンジ」とかいうと

ドイツ菓子の体をなくしてしまうケースをよく見かけますが、


フェルダーシェフのお菓子は


ヨーロッパを感じる「ドイツ菓子」であり、

それでいて 「日本人への配慮」も感じられ、


「田頭氏のオリジナリティ」 も生きた お菓子であると思います。



我々、竹田兄弟は、東京方面に出展するようになって以来、

頻繁に、東京・神奈川 お菓子ケーキ巡りをしておりましたが(ときには苦痛なくらい食べつづけ・・・)、

それでもフェルダーシェフのお菓子には、田頭氏にしか出せない味があると、今でも思います。

(※注 「生地をしっかり作る」と言う意味では、程度の差はあれ、他のフランス菓子、ドイツ菓子でもそういった姿勢を感じる店はあります)





味わいの特徴を少しクドく強調するならば、


シッカリと乳化した生地をキチンと焼いたらこうなるのかなと

素人目にもわかるくらい、

噛むと生地の味と香りが一緒に楽しめます。


加え、他の要素(ナッツや別の香辛料など)が生地の存在感によって


より楽しみ易くなる。

これが、 田頭流ドイツ菓子なのかな、と感じます。


焼き菓子 の好みについて田頭氏とお話させていただいたところ、

噛んでから飲み込むまでの、

甘味・風味・香りのインパクトを楽しみたいとの事でした。



心より出でて形に入り、心に戻る・・・この言葉を思い出し、

本当の意味で「自分流」の看板を出して研鑚していく方向に入っているのかな、 と感じました。




そして、もうひとつ凄い点は、

「コンテストで賞をとった!!」 と、うたっている場合、

だいたいのお店は「レシピが同じ」等で

量産品を販売するケースが多いように、私達には見受けれれますが、


フェルダーシェフのお菓子の場合、


例えば、バウムクーヘンやフルーツケーキなどは、

コンテストに出た、ほぼそのままを買うことができます。


(つまり田頭氏が「生地」「焼き」を手がける)

しかも長持ちするのが嬉しい。




本場ドイツでも添加物を使い始める店が増え始めたにも、かかわらず、

本場よりも本場らしく、ドイツ菓子 をやろうとしている田頭氏のお菓子を、是非一度!